外国人スタッフへの作業指示は、「対象・作業・終わりの状態」を具体的にし、実物を使って認識を合わせることから見直せます。説明する側の言い方をそろえ、相手がどう理解したかまで確認しましょう。
「説明したのに、違うやり方になっている」。そんなとき、本人の日本語力だけで原因を決めつけていませんか。可児市周辺の製造・物流現場で日々の伝達を見直す担当者へ、指示の言い換え例と、次の朝礼から使える確認メモを紹介します。
この記事でわかること
- 曖昧な作業指示を具体化する方法
- 言葉と実物を組み合わせた確認の進め方
- 担当者が替わっても説明をそろえるメモ
- 派遣会社へ相談するときに伝える情報
1. 「いつものように」を、確認できる言葉へ変える
最初に見直すのは、職場の中だけで通じている表現です。慣れた人同士なら伝わる「これ」「いつもの」「適当に」も、対象や基準を共有していない相手には判断材料が足りません。国籍にかかわらず、初めてその工程に入る人にも同じことが起こります。
厚生労働省の「コミュコツ」は、伝え方と聞き方を点検する支援ツールです。一文に内容を詰め込みすぎないことや、指示を具体的にすることなどを紹介しています。
出典:厚生労働省「外国人従業員とのコミュニケーションのコツ」(2026年10月26日確認)
備品の準備を頼むときの言い換え例
以下は伝達方法を考えるための仮の例です。実際の現場の作業指示や安全手順を示すものではありません。
- 曖昧な例:「あとで、いつものケースをそろえておいて」
- 対象を示す:「この見本と同じ空のケースを使います」
- 数量を示す:「ケースを5個用意してください」
- 完了を示す:「10時までに、指定の棚のこの場所へ置いてください」
ここでの数字は説明用です。実際には必要な数量・時刻・置き場所に置き換えます。「なぜ必要か」も説明できますが、まず依頼内容を区切り、質問する間を設けましょう。短くするために必要な条件まで省かないことが大切です。
2. 「分かりました」から、一緒に確かめる会話へ
返事だけで完了にせず、同じ対象や順序を思い浮かべているか確認します。試験のように正解を求めるのではなく、「私の説明が伝わったか確認したいです」と目的を添えると、確認の意味が明確になります。
厚生労働省の資料では、伝えた内容を復唱してもらう方法や、実物を見ながら話す工夫も示されています。
出典:厚生労働省「コミュコツ」伝え方・聞き方のチェックシート(2026年10月26日確認)
現場で試す3段階
- 示す:対象の備品と、置き場所を一緒に確認する
- 聞く:「どのケースを何個使いますか」と一項目ずつ聞く
- 合わせる:認識が違った箇所だけ、実物を使って説明し直す
言葉で答えるのが難しければ、対象を指してもらうなど、確認方法を変えます。質問の途中で答えを先回りせず、どの部分が分かりにくいのかを聞きましょう。
ただし、指差しや返事だけで機械操作を任せてよいと判断するものではありません。安全に関わる作業は、現場で定めた教育・習熟確認を行います。伝わったか不明なまま進めず、責任者へ確認する流れも決めておきます。
3. 説明する人が替わっても、見本と基準をそろえる
同じ作業を別の呼び方で教えていないか、担当者同士で確認しましょう。朝の担当者は「箱」、午後の担当者は「通い箱」と呼んでいるなら、同じ物なのか分からなくなる場合があります。
まず一つの工程で、呼び名・写真・見本・手順書の対応を点検します。写真を使う場合は、今使っている設備や配置と一致しているかも確認してください。古い写真を残したまま口頭で補う運用は、説明する人によって差が出る原因になります。
担当者で共有する伝達メモ
対象の作業:__。統一する呼び名:__。実物・見本の置き場所:__。説明に必要な数量・時刻:__。完了の状態:__。迷った場合の確認先:__。手順書の更新日:__。
色分けを使うなら、色だけに意味を任せず、名称や置き場所も合わせて説明します。色の見え方や表示環境には違いがあります。「赤い方」としか伝えていない箇所があれば、対象を特定できる別の情報も添えてください。
翻訳が必要な内容は、本人が理解しやすい言語を確認します。安全や品質に関わる重要な説明は、機械翻訳の結果をそのまま配らず、内容を確認できる人を交えて見直しましょう。この記事のメモは、正式な手順書の代わりではなく、説明の抜けを探す補助です。
4. うまく伝わらなかった場面を、次の改善へつなげる
「理解してくれない」という評価ではなく、どの説明で行き違ったかを残します。説明した言葉、実際の受け止め方、説明し直した方法を分けると、次に試すことを決めやすくなります。
- 場面:いつ、どの作業について説明したか
- 伝達:どの言葉・資料・見本を使ったか
- 相違:指示と理解が違っていた点は何か
- 次の対応:誰が説明を直し、いつ確認するか
派遣スタッフについて派遣会社へ相談するときも、この情報を用意します。人格や国籍による決めつけを避け、業務上の事実と必要な支援を共有してください。本人の話を聞く機会も設け、担当者の見方だけで原因を決めないようにします。
大桜アネシスでは職場ごとに専任担当者を配置し、仕事・人間関係・生活の相談に対応しています。日々の伝達で気になる点は、具体的な場面とともに担当者へお知らせください。受入れ時の準備は、派遣スタッフの受入れ初日に整えることでも確認できます。
よくある質問
Q. 日本語が得意そうなら確認は省けますか?
A. 日常会話と現場固有の言葉の理解は分けて確認します。初めての工程や変更された手順は、経験者でも認識を合わせましょう。
Q. やさしい日本語だけで説明すれば十分ですか?
A. 内容と相手によります。実物・写真・理解しやすい言語を組み合わせ、必要な情報が伝わったかを確認します。安全上の教育を省略する方法ではありません。
Q. 全工程の説明を一度に作り直すべきですか?
A. まず行き違いが起きた一つの指示を見直す方法があります。ただし安全に関わる不明点は後回しにせず、責任者へ確認してください。
まとめ:次の指示を、一つだけ具体化する
- 対象・作業・終わりの状態を明確にする
- 返事だけでなく、受け止め方も確認する
- 呼び名・見本・手順書の内容をそろえる
- 行き違った場面を記録し、本人と改善を考える
まずは伝達メモに、見直したい指示を一つ書いてみてください。可児市周辺で人材の受入れや職場での支援を相談したい企業さまは、お問い合わせフォーム、または0574-60-1400(平日9:00〜18:00)へご連絡ください。
この記事の例・メモは一般的な実務上の提案です。アイキャッチは作業台を表現した生成イメージで、実際の当社や取引先の設備ではありません。



